うつ病で休職し、症状も良くなってきたけど、復職に向けて不安があります。
また職場に戻ってうつ病が再発しないか不安なんです。
そんな方はリワークに行ってみることをお勧めします。
リワークには認知行動療法などストレスに対する捉え方の改善や体力を元に戻すための運動メニューがあり、自然と復職しやすい様にサポートしてくれます。
目次
リワークとは何をするところで、どんなところなの?
リワークとは、うつ病や適応障害などの精神疾患関連などで休職中の方を対象にした、
職場復帰を目指すサポートプログラムのことを言います。
また一般的に体力向上だけでなく、認知行動療法などストレスに対する捉え方の改善や、集中力・コミュニケーション能力の強化など、職場に復職してもうつ病などが再発しない様にプログラムが組まれている事が多いです。
リワークの料金は?
リワークの費用は基本各種保険が適用されます(但し念のため必ず受講機関に確認すること)。
一般的なリワーク費用(食事代込み)は、
1日 2千円~3千円程度のところが多いです。
なお自立支援医療制度をご利用の場合
1日 ¥700~¥1,000程度となります。
リワークで行われる内容は?
- ストレス対処力の向上訓練
- 心理教育
- コミュニケーション能力向上訓練
- 筋力増強・体力の向上訓練
①ストレス対処力の向上訓練
復職してうつ病が再発しない様に、「認知行動療法」や「メタ認知」などを使いストレスの対処力の向上を行います。
認知行動療法とは
心のストレスを軽くし、気持ちを楽にするためこの認知に働きかける治療法を「認知行動療法」といいます。
ストレスを受けると私たちは悲観的に考えがちになり、問題を解決できない様な状態に追い込んでしまいます。
認知行動療法は、そんな時に考え方のバランスをとってストレスに対して上手にバランスする心を作る療法となっています。
メタ認知とは
「メタ認知」とは、自分が認知していることを客観的に把握し、制御すること、つまり「認知していることを認知する」ことです。
メタというのは「より高次の」という言葉で、認知とは、思考や知覚、行動のことをいいます。
つまり、現在自分自身が行っている行動や思考そのものを認知の対象として、自分自身を客観的に認識する能力をメタ認知能力とよびます。
②心理教育
うつ・不安症状の改善には、病気に関連する知識を取得することが必要不可欠です。
心理教育ではうつや不安に関連する様々な話を学ぶものが用意されています。
③コミュニケーション能力向上訓練
アサーショントレーニング(自分も相手も大切にした自己表現をするコミュニケーションスキル)やプレゼンテーションなどを行い、対人スキルやコミュニケーション能力の向上を図ります。
④筋力増強・体力の向上訓練
うつ病の方は、まずは休養する事から始めると思います。
長らく休養した結果うつの症状は改善されるかもしれませんが、知らず知らずの内に体力が落ちています。
リワークでは場所により様々な基礎体力トレーニングが用意されています。
場所によってはヨガによるトレーニングなどもあったりする様です。
リワークに通う時期は休職中のどのタイミングがベスト?
復職への焦りからか、休職してすぐにリワークに通おうとする人も中にはいるかもしれませんが、休職期間はまずは療養することが一番大切です。
それにリワーク施設を利用するには、毎日同じ時間に決まった場所へ通うことが必要になります。
毎日通所するための十分な体力がない場合や、規則正しい睡眠リズムが整っていな場合はリワーク施設への通所も難しくなります。
そのためうつ病の急性期はとても通える状況ではないと思います。
基本的には回復期に入り、週の半分程度午前中動ける様になる時期に週に1〜2回リワークに参加することをお勧めします。
その後徐々に週に通う回数を増やしていき、復職前に週5日通えるようになれば安心して復職できると思います。
なおリワークに参加するには医師の診断書が必要になるため、症状や体調を細かく主治医と相談し適切なタイミングでリワークに参加できる様に調整していくといいでしょう。
リワークで正式に利用するまでに必要な流れと期間は?
医療機関のリワーク施設を利用する場合はまずは主治医の許可と診断書が必要となります。
許可が得られたら、適切なリワーク施設を探し、説明会や見学、事前プログラムに参加しどこの施設に行くか決定します。
なお正式利用までにかかる時間は医療機関ごとに異なります。
例えば僕の言っている病院のリワーク施設の場合は、
①精神保健福祉士による面談
②リワーク施設のある病院の医師と面談
それから正式な利用決定でした。
面談の予約~利用までの目安は大体2週間程かかりました。
他に調べた限り、どこも大体同じ様な手続きのため予約開始から2〜3週間はみておいた方が良さそうです。
なお、住んでいる場所によってはリワーク施設が満員のためすぐに入れない場合もありますので、行くことが決まったら早めに動くことをお勧めします。
リワークに通う期間はどれくらい?
プログラムは短いものだと数週間、長いものだと年単位で組まれており、利用期間も状況により様々ですが、平均3~7カ月ほどだと言われています。
管理人がリワークに通った感想は?
僕がリワークに通った際に感じたリワークのメリットとデメリットは下記です。
リワークのメリット
- 定期的に同じ場所に通うことで生活リズムの改善や通勤の練習につながる。
- 休職中、一人で過ごしたり家族とのみ過ごす事が多くなりがちだが、様々な人と触れ合う事ができるため適度にストレスを受ける事ができる
- 一人だと気負いすぎたり、不安な事も多いが同じ様な境遇の人と知り合えるため、励ましあえる。
- 保険適用のため、かなりお得に学ぶ事ができる(自立支援ならさらにお得です)
リワークのデメリット
- リワーク期間が長くかかる事で、休職期間が長くなる
- 保険適用や、自立支援があると言ってもある程度のお金はかかる
まとめ
リワークは少額の費用で、休職期間中に沢山のことを学べるプログラムとなっており、うつ病などで休職になってしまった人の心強い味方と言えるでしょう。
現在、復職への焦りなどで不安な方はぜひリワークの活用を検討してみてください。
一人や家族の支援だけだとなかなか難しい復職も、リワークに通えば沢山の自分と同じ境遇の仲間や、専門家などとも出会え一緒に乗り越えていけることかと思います。
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。